先般(2021.10.17)、地元の地方新聞に
社会批判などで知られる解剖学者養老孟司さん(84)の代表的著作「バカの壁」(新潮新書)の発行部数が16日までに累計450万部に達した。
という記事が掲載されていた。
出版元の新潮社が同日(16日)発表したものによると
「バカの壁」は、2003年の刊行以来、計127回増刷された。
同書は感覚より意識を優先させる都会人の危うさを説いて多くの読者を獲得、新書ブームをリードしてきた。
とのことである。
著者の養老孟子さんは
私自身の常識が世間とずれ、そのストレスとどう折り合いをつけるかをまとめたのが本書です。
長く読まれた理由は、それほど同じ悩みを抱える人が多くいた、ということだと思います。
とコメントしている。
この記事を見て、久しぶりに「バカの壁」を読み返そうと書棚を探しみたが見つからない。
どこかに眠っているのか、誰かに貸したままになっているのか判明しないが、代わりに「超バカの壁」が出てきた。
「バカの壁」「死の壁」に続く、著者のシリーズ第三弾である。
超バカの壁・・養老孟司
この本は、著者が「バカの壁」「死の壁」を書いた後に、読者から寄せられた「質問に答える形」で作られた作品だ。
若者、自分、テロ、男女、子供、戦争責任、靖国、金、心、人間関係、システム、本気
の「12の問題」について書かれている。
著者はまえがきで、要旨次のとおり述べている。
相談の具体的な答えを期待する人がいるが、他人に伝えることができるのは「考え方」だけである。
具体的な事情は当人しか知らないから。
自分が直面している問題や、世の中の様々な問題について、他人の意見に賛同できるものもあれば、真っ向から対立するものもある。
テレビの評論家やコメンテーターに対して、「何を言うとんかいな!」「馬鹿なん、こいつ?!」などと、ひとり声を出してツッコミを入れているときもある。
最近では「18歳以下のコロナ給付金」や「厚かましい都議」のニュースを見て、「常識的に考えておかしいやろ!」と思うこともある。
そんなことでイライラしてしまう日々であるが、自身が抱える問題の「考え方を生み出すヒント」が書かれているのが本書だ。
「金の問題」(の章)では、
「金で買えないものはない」といっている人よりは、それ以外を知っている人のほうが現実は広い。
「人間関係の問題」では、
脳の特性とは関係なくイライラしている場合は、自分の問題に戻さないで、完全に人のせいにしているのが原因です。
「本気の問題」では、
本気でやるべきときに、逃げるのが一番駄目です。面倒なことにも直面するのです。
といった「考え方」が示されている。
それこそ、考え方が180度違う人がこの本を読めば、「批判の的」となりそうなことも書かれているが、それがまたスカッとする。
この本に書かれている「人間の本質」や「考え方」を理解すれば、無駄な対立やイライラは軽減することだろう。
毎回思うことであるが、せっかく読んだものを忘れてしまったり、理解することなくその後の日々を過ごすのはもったいない。
この本に書かれている「考え方」を身に付けられなかったことで、これまで無駄な労力と時間を費やしたと思う。
そんな無駄を省くために、「超バカの壁」(バカの壁も含めて)をお勧めいたします。
おススメ!
相談したことに共感してくれると、ホッとするし嬉しくなりますよね。
それと同じような気持ちにさせてくれる本です。
「考え方」ひとつで、人生明るく元気になれるものです。