今回は「自民党総裁選」も近いことから、お勧め漫画として
医龍 (乃木坂太郎、永井明)全25巻
を紹介します。
優秀な外科医である主人公の朝田龍太郎が、腐った大学病院の改革のためにメスを入れる痛快なストーリーです。
数ある医療漫画の中でも、特にお勧めできる漫画です。
この「医龍」を紹介した理由は、連日自民党総裁選のニュースが流れているのを見て、ふと思い出したからです。
この漫画では、大学病院内の醜い権力争いの中で候補者3人による「教授選」が描かれています。
漫画の中で「専制君主」として君臨する野口教授の言葉(セリフ)に
「敵」を得て、集団は初めて結束する
そもそも「敵」がいなくては、政治的集団は生まれえないとも言える
政治において、理念や理想はなんの力にもならない
お互いを「敵」として利用したから、共に強い集団を作ることができた
「敵」のいない主張は、正しくとも力を生まない
などがあります。
十数年前にこの漫画を読んだとき、小泉純一郎氏の「郵政選挙」を思い出しました。
自民党内で「郵政民営化」に反対する「敵」を作ったことで、連日のメディア報道で大きく盛り上がりました。
野党は蚊帳の外で、結果は自民党(与党)が圧勝。
小泉純一郎氏が、「敵」を作る戦略を描いて「小泉劇場」を演出したのかどうかはわかりませんが、結果は自民党というより小泉氏の大勝利でした。
漫画「医龍」の中の教授選では、候補者とそれを取り巻く者たちのドロドロとした人間模様が描かれています。
どこの職場にもいますが、仕事は二の次で出世することだけを考えている人。
「仕事」や「人」のことをないがしろにして、自分の損得勘定だけで動く人。
みっともないというか、醜いというか…。
その点、この漫画の主人公は、医療が全て。
「権力」や「名誉」というものに全く興味がない。
仕事がデキる者であればあるほど、権力や名誉が欲しくなるものですが、そんなものに執着しない生き方に憧れるものがあります。
さて、今回の自民党総裁選、誰が勝つのでしょうか?
国民的人気が高いのは河野太郎氏ですが、それですんなり決まらないのが政治の世界。
「派閥」「利害」「打算」などの要素が複雑に絡み合います。
石破茂氏も国民的人気は高かったのに、安倍元首相に総裁選で敗れました。
石破氏が自民党幹事長の頃、地方遊説で会った(見た)ことがあり、それ以来「石破氏のファン」です。
だから、今回総裁選「不出馬」となり残念です。
とは言っても、会ったことがあるからファンになったというだけ。
石破氏が掲げる「政策」や「人となり」をよく知っているわけではありません。
メディアにいっぱい出て、知名度が高いほど人気があるというのと同じレベルです。
「あいつだけは総裁にしてはいけない」
同じ自民党内の同志がそれを言うかね…。
職場で「敵を間違えるな」って口癖のように言ってきましたが、内々でいがみあって仕事の成果は上がらんでしょ…。
今回お薦めする「医龍」は、そんな人間ドラマも考えさせられる名作です。
お勧め!
自民党総裁選が終われば衆院選も控えています。
そんな時だからこそ、医龍を読んでみてください!
色んな面で勉強になります。